専門家と人気者
日曜日に行われた大阪府知事選挙では、タレントで弁護士の橋本氏が圧倒的な強さで当選しましたが、やはり、知名度というか人気というものはすさまじいものがありますね。
大衆の支持の前では、何もかもがふっとんでしまうという状況でしょうか。どのように大阪を変えていくのか楽しみなところですが、元公務員として気になるのは、知事に就任してからあ府庁の役人とどう向き合っていくのかということです。
テレビでのイメージから、まぁ、世知にたけていそうですから、上手い具合にすりぬけていくような気もしますが、府庁の職員はなかなか辛い雰囲気だろうな。前の知事も厳しかったという話を聞いたことはありましたが、今度は、パフォーマンスもあってもっと厳しいかも。テレビカメラの前でわざとらしく、年配の職員が怒鳴られたりするんでしょうか?
それでも、多くの公務員は仕事を続けるんでしょうね。今更辞めても、公務員以外を知らない人が民間にいけるわけもないので、若い知事の下で、今までのプライドをさんざん蹴散らされて、残りの公務員人生を終える人が増えるかもしれませんね。
元役人として思うのですが、選挙って一体何でしょうか。ポストバブル以降、選挙で通れば何でもやっていいような雰囲気があまりにも強くて、辟易することがあります。
そんなことをわかっている野心家の若者が政治家を目指す現状をみると、益々、嫌悪感を募らせてしまうのですが、それに表だって反抗できない専門家の根性のなさにも辟易します。仮に、専門家(ここでは主に公務員を指していますが)にそこまでの根性があったなら、財政赤字を含めて、ここまで日本は悪くなっていなかったと思うと、どっちもどっちという感じでしょうか。
何れにしても、選挙で通った人間は、専門性を無視して何でもやっていいという今の風潮が続ければ、公共分野で専門性を発揮しようという優秀な人材は益々いなくなることだけは間違いないでしょう。
これから10年くらいしたら、そこそこ頭の良い人間は全員外資に行くか、米国の研究機関にいくか、政治やマスコミと関わらないですむような合理的世界(企業など)に行くのでしょう。そして、公務部門には何の気概もない人間だけがたまるのかもしれません。
もう少し、国家のことを考える専門家を育成するためにはどうすればいいか、ということを考えてみるべきだとおもうんですが。
トラックバック URL :
コメント (0)