厚生省は隔離好きか?
兵庫県に住み、神戸の大学にいるからだろうか。最近の豚インフルエンザの報道ぶりには随分と腹が立つことが多い。弱毒性であることがはっきりしているにもかかわらず、「○○県で感染者が出た」と大騒ぎし、東京で感染者が出れば、「関西へ出張に行って感染したらしい」と報道するし、関西に住んでいる人間にとっては非常に差別的なものを感じる。
たまたま、弱毒性のウイルスだったから笑っていられるが、非常に強い毒をもっていたならば、本当に関西地方は差別されているところである。そもそも、これだけ人が移動していれば、感染するのは当たり前であって、それを規制したいのであれば、ゴールデンウィークに海外へ行くのも(政府が損失補填して)規制すればいいではないか、と思ってしまう。
もう一つ腹立たしいのは、相変わらず、「隔離思想」が根強いということだ。戦後、GHQが日本の内務省や官僚に福祉という概念を理解させるのにものすごい苦労をしたという話を聞いたことがあるが、その末裔とも言うべき(決して主流派ではないが)厚生官僚は福祉や年金は軽視しているが、どうも病原や病人を「隔離する」という概念だけはどっしりと根付いている感じだ。僕が厚生省に2年間出向している時にも、「隔離すればいい」というような会話を交わしていた役人がいたが、もうちょっと違う発想はないもんだろうかね。
トラックバック URL :
コメント (0)