三つの権力と合流先
人間暇だと色々なことを考える。「肩が痛いな」「胃の調子がどうも」「どうも足がむくんでいるような・・」とか、一人で勝手に病気を作っては悩んでしまう。よくあることだが、最近は公務員問題も一段落して暇をもてあまし気味で、そんな妄想ばかりである。やっぱり、僕って健康オタクなんだろうか・・・。
これではいかんと思って、少し社会に目を向けてみると、変な事件や出来事ばかりだ。特に「権力」というものに着目すると、この国はあんまり良い方向に向かっているとは思えない。
まず、足利事件で冤罪が確定した菅家さん。検察・警察という国家権力の怖さを改めて思い知る。役所と言えば、財務省が官僚中の官僚と批判されたり、賞賛されたりするが、財務省や旧内務省は世俗や政治にまみれすぎていて、あまり怖い権力とは思わない。今回の冤罪事件よりも、役人時代に法令協議や様々な役所間の交渉で、法務省と警察庁の高見に立ったスタンスの方が気になり、やはり、治安部門こそ国家と思ったが、今回の事件はそんな国家権力が誰にコントロールされているのかを考えさせられる怖い事件だった。
ちょっとレベルが落ちるんですが、痴漢冤罪事件を見るたびに、「もしかしたら、こんな僕も・・・」と思ってしまうのだ。そういえば、知り合いの弁護士は「窓のない取調室で難詰されたら、誰でも催眠術にかかってしまい、誰でも犯人にされますよ」と言っていたが・・・。警察庁の友達は「自白と証拠が合わないと犯人にはなりませんよ。大丈夫ですよ。世の中、本当に悪い奴ははかないんですから・・」と言っていたが、果たしてどちらを信じていいものやら・・。
もう一つ怖い権力は、大衆民主主義の権力。村上春樹の本って、どうしてあんなに売れるんだろう?ここ1ヶ月間で、僕は「雇用危機をどう乗り越えるか」(ソフトバンク新書)「正社員クビ!論」(PHP)と二冊出したが、売れてる気配はまるでない。腕が落ちたか、いや、不況のせいだ!と自分を慰めているが、村上春樹の本の売れ方は尋常じゃない。決して嫉妬している(思いっきり、嫉妬していそうだが)わけではないが、実物を読まないでよく高い本が買えるよな・・・。「これはいい」と言われたら、あっという間になびく恐ろしさ。大衆民主主義の権力だ。
僕は自分の考えや仮説を補強するために本を読む。読書のための読書はしない。するなら、思いっきり娯楽の読書をする。しかし、世間はそうではないみたい。多読術なんて本も売れてるし・・・。
三つ目はマスコミの権力。昨日の報道ステーションをみていたら、また、橋下知事を持ち上げていた。自民党に活を入れたとか何とか、・・・「自公支持で知事になったのに、民主党にも周波を送っている」とか、もう少し批判的な報道はできないもんかねー。既存の政治家や役人は悪いが、報道の仕方にバイアスがかりすぎて話にならない。こんな状態だから、タレント知事の支持率は持続する。マスコミに嫌われた終わりだけど、ネタを提供している分には人気を持続できるということでしょうか。
こんな三つの権力が合流したところに、今の日本社会がある。一体、日本はどこに行くんだろ。やっぱり、不安になってくる。
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