有識者とタレントとの「政治の壁」
東国原知事騒動について、また、今日も述べることにしよう。
この問題をどう見るかは人それぞれだ。これだけの論点を提示してくれること自体、やはり、人間の思いきった行動というものはすばらしいと思うが、僕は、こんな事件を見るにつけ、日本社会には「わかりあえない」という感覚が徐々に浸透しているような気がして仕方ない。
今日朝のテレビ番組。関西地方では8チャンネルだった。番組ではキャスターと、女性高学歴芸能人と、識者と思わしき人が、今回の東国春知事の行動について論評を加えている。
タレント女性はうきうきしながら、東国原知事のすごいパワーで・・・とか何とか好意的に論じている。それに対して、識者は「こんな態度を有権者が許すんでしょうか・・・」とまともに論じる。テレビは「東国春知事には宮崎にとどまってほしい」「自民党に利用されるだけだ」という非常に好意的な一般市民からのアンケートだけを紹介している。
まぁ、オーソドックスな作りなんだが、識者という人が政治を真面目に捉えるのに対して、タレントとかタレントを支持する一般視聴者なんかは、政治を「見せ物」と思っているんですな。小泉以来、テレビが政治を取り上げるのは結構だし、一般国民が関心を持つのも結構なんだが、おもしろい見せ物にならないかぁ・・という程度なんだろうな。どっかに主権者意識とかタックスペイヤー意識とかはないんだろうかな。そんな一般国民の態度を見越して、政治って、益々、個人の野心だけが前面に押し出される「野心ゲーム」になっている気がするな。
一体、後世の歴史家はこの時代をどう評価するんだろうか。政治史ってもしかしたら抹殺されるのかもしれませんな。それにしても、ここ最近のテレビと新聞関係者とのスタンスの違いもそうだが、何をキーワードにしていいのかわかんないけど、日本人同士がものすごくわかりあえなくなっている気がする。
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