2010/1/30 土曜日

民主党の公務員制度改革って?

Filed under: 未分類 — 中野雅至 @ 9:15 AM

 昨日の鳩山総理の施政方針演説でも述べられていたが、幹部国家公務員の人事を一元化する内閣人事局構想に着手するそうだ。新聞紙面では、次官から局長に降格されるということがやたらと書かれている。これまで大臣にも従うことがなかった偉そうな官僚というイメージから言えば、「これは大きな改革だ」というように映る。現実に、世論や政治の意向を無視するような尊大な幹部官僚もいるから、政治的応答性を高めるという方向性が間違っているとは思わない。
 ただ気になることがいくつかあったので、指摘しておくことにしよう。
 まず、内閣人事局構想は福田内閣でできて、麻生内閣では法案まで作られているのであって、民主党が何か目新しいものを作ったわけではない。実際、近い関係者から聞いても、法案に向けた動きなどない。おそらく、麻生政権で廃案になった法案をそのまま使うのだろう。ちなみに、次官など幹部の降格もすでに決まり切ったことで、特段目新しさはない。問題は、制度を制度通りに運用するかどうかだ。
 もう一つは、こんなものに官僚は抵抗しないということだ。もはや、そんな気力もエネルギーもないと思う。辞めたいと思っている人間が大半ではないか、と思う。わざわざ抵抗するようなことはあり得ないのに、官僚を大きな存在にしてメシを食っている政治家、マスコミ、元官僚のために、現役官僚の多くは被害を被っている。ちなに、僕が購読してる朝日新聞も昨日の夕刊で「官僚の抵抗が予想される」と書いていたが、おそらく、大した取材をすることなく、紋切り型の文章を書いたような気がする。霞ヶ関は疲れ切っているだけで、抵抗するエネルギーはない。むしろ、霞ヶ関を破壊した後に、本当に政治が中核になり得るのかどうか、政治主導体制の質を強化することを議論した方が、よほど建設的だ。

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